サフィール踊り子ってなんでそんなに高いの?

素朴な疑問シリーズその1。何番煎じかわからないやつ。
JR東日本の特急料金制度って難しいねって話です。

とりあえずこれを見てほしいんですよ。
きっぷのお求め | サフィール踊り子 | JR東日本


東京~伊東、グリーン車(5~8号車)6,270円。正直そんなするのかというレベルなのだが内訳を確認してみよう。

営業km:121.5km
運賃:2,310円(121~140km 有効期間2日)
料金:3,960円
特急料金1,860円(A特急料金 自由席*1101~150km)
グリーン料金2,100円(JR東日本管内 101km~200km

うん、大体犯人はわかった感じだ。グリーン料金は100km刻みで計算されているため、101~200kmの料金が適用されておりこれが
これが東京~熱海だと営業キロ104.6kmで特急料金は変わらず、さらに割高感がある。


サフィール踊り子号は品川にも停車するので、品川~熱海で買うとどうなのか。


品川~熱海
営業km:97.8km*2
運賃:1,980円(東京~熱海 101~120km 有効期間2日)
料金:2,250円(▲1,710円
特急料金1,200円(A特急料金 自由席51~100km)
グリーン料金1,050円(JR東日本管内 ~100km)

あっ……1,500円どころか1,710円も料金安くなってる。2,250円ならだいぶ現実的な料金だ。
で、プレミアムグリーン席の料金*3は100kmまで2,550円、200kmまで3,600円ということなので、差額は距離にかかわらず1,500円。これも100kmを切る区間で買った方がお得度が高いのは言うまでもない……。
そもそもそんなところを気にするような人たちはサフィール踊り子の対象じゃないのは指摘したら負け(あの650円のラーメンに文句を言う人たちとか…話のネタに食べてみるのは十分ありな気がする)。
あれは間違いなく、「乗って移動の過程を楽しむ列車」であって普通の移動手段として使うものではないのだから。


ちなみに

  • サフィール踊り子号の登場と時を同じくしてE257系が投入され始める普通の踊り子号はA特急料金とB特急料金の差額程度の差しかない(後述)。
  • 乗り継ぎ割引は適用対象外なので、新幹線で熱海まで行ってそこから乗ることで特急料金を安く済ませようという作戦は(サフィール踊り子については)通用しない。
  • 東京~熱海であれば新幹線のEXこだまグリーン早特の方が安い(普通の踊り子号と比較しても、指定席+運賃正規料金に100円足せばこだまのグリーンに乗れてしまう。踊り子号にはえきねっとトクだ値の設定はない

結論:高い(と感じられる)理由

  • A特急料金。通常の特急料金に比べ240円ほど高い料金に設定されている。
  • グリーン料金。100km刻みで料金が設定されているため、100kmを超えた瞬間料金が跳ね上がってしまう。
  • 普通の踊り子号も含め割引商品の設定がない*4ため、新幹線に比べて優位性が低い(新幹線→踊り子号の乗り継ぎ割引を利用していくのがスマートだが、サフィール踊り子は制度の対象外になっている)

試しに乗るのであれば営業キロが100km未満である品川~熱海(か、横浜~伊東だけど伊東まで行ってしまうと帰るのが面倒かも)で取るのがいいかもしれない。1時間強ほど乗れるので雰囲気は楽しめるはず。

踊り子号185系(修善寺駅にて)
※写真は挿絵であり本文とは全く関係ありません。サフィール踊り子号は修善寺には来ません。

*1:グリーン車を利用する場合は通常期の指定席料金の530円引き=自由席の料金を特急料金として計算する

*2:営業キロは97.8kmだが、品川駅は東京山手線内に含まれるため運賃は東京発着扱いで計算される

*3:サフィール踊り子のサイトには東京~伊東or伊豆急下田の運賃料金の合算額しか記載されていない。JR東日本のサイトにある営業規則やきっぷあれこれはまだ更新されていない。JR時刻表 2020年3月号 p.962に記載あり。

*4:伊豆急行線内まで行くのであれば、南伊豆フリー乗車券を利用して乗車券部分は多少安く上げることができる